すまし汁

 すまし汁は、汁を濁らさないように作るのが特徴です。洋風スープのコンソメ、中華風スープの清湯(チンタン)に相当します。
 すまし汁は、汁椀に下ごしらえした椀種と椀づまを盛り、だしに味つけした吸汁を張り、吸口を添えて作るのが原則です。


つゆについて

 だしを取ったら火にかけ、沸騰しかけたら塩を入れ、次にしょう油を入れてひと煮立ちしたらすぐ火から下ろします。これがつゆです。
 すまし汁はしょう油の香気が大事ですので、しょう油はつゆを火から下ろす間際に入れます。最初からしょう油を入れて煮立てると香気はとんでしまいます。



椀種について

 椀種は汁の実の中心になるもので、原則として鶏肉、魚、貝、豆腐などのように、たんぱく質を多く含んでいるものが用いられます。大抵の椀種は、茹でたり、蒸したり、焼いたりして下ごしらえをしておきますが、豆腐のようにつゆに入れてひと煮立ちさせるものもあります。
 次に、主な椀種の調理法を記しておきます。

切身の魚 タイ、タラなどどの白身魚を、刺し身より少し大きいくらいにそぎ切りにし、次のように下ごしらえして、一椀に二切れほど用います。
 (1)茹で魚 塩を振ってしばらく置き、煮立っている湯に入れ、弱火で3~4分間茹でま
       す。
 (2)火どり魚 塩を振ってしばらく置き、グリルで両面をさっと焼き、熱湯にくぐらせ
       ます。
 (3)つみ入れ 白身魚をまな板の上でたたき、すり鉢ですり、片栗粉、塩、生姜汁など
       を適当に加えてすり、スプーンですくって熱湯に入れ、浮き上がったら引
       き上げます。


エ ビ 一椀に二尾見当で、熱湯でさっと茹でて用います。

鶏 肉 
 (1)吉野うち 薄くそぎ切りにしたササミに、薄く片栗粉をまぶして茹でます。
 (2)鶏肉しんじょ 鶏ミンチに片栗粉と塩少々を混ぜて練り、小さい団子に丸め、片栗       粉をつけて茹でます。

玉 子

 (1)錦糸玉子 薄焼き玉子を作り、4~5㎝長さに繊切りしたものを用います。
 (2)玉子豆腐 豆腐同様に用います。


椀づまについて

 椀種に対し、そのあしらいになるものを椀づまといい、主として季節の野菜類が用いられます。椀種に対して、形、色、味などが調和するものを選びましょう。二種類くらい用いても結構です。

葉菜 ミツバ、春菊、菜の花、ほうれん草、セリなどの青菜類は、茹でて用います。ウド、ネギ、ミョウガなどは繊切りにし、吸汁に入れてひと煮立ちさせます。

根菜 芋類、たけのこ、人参、かぶ、大根などは、適当に切り、塩茹でしたり、下煮したりして用います。

その他 サヤエンドウ、サヤインゲンなどは茹でて繊切り、きゅうりは繊切って吸汁に入れてひと煮立ちさせ、しめじなどは薄く切って吸汁に入れてひと煮立ちさせ、しいたけ(干ししいたけは戻す)は丸のままか適当に切って下煮し、そうめんは茹でて、はるさめは熱湯で戻して用います。わかめは吸汁に入れてひと煮立ちさせます。

吸口について

 吸口は汁に芳香を添えるもので「香り」ともいい、汁を椀に盛ってから入れます。
 吸口にはいろいろありますが、原則として季節の香りが用いられます。例えば、春は木の芽、ふきのとう、桜の花の塩漬け、夏は花ゆず、実ゆず、秋はみょうが、青ゆずの皮、冬はゆずの皮などです。
 季節の香りが手に入らない場合は、針しょうが、針わさび、のり、こしょうなどを用い
ます。
 みつば、うど、防風などのように、香り高い野菜を椀づまに用いた場合には、吸口は用いなくても構いません。


  材料

      すまし汁に合う具(わかめ、豆腐etc.)


  分量


  ♡ つくり方

     具を切って、必要に応じて下ごしらえをします。

     
だしをとり、上表よりだしの量に応じた調味料の分量を確認し、味つけし
      ます。


     具を加え、火を通します。


具だくさんのすまし汁
具だくさんのすまし汁
*鶏肉、豆腐、油揚げ、白菜、しめじ

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